*注意*
・もう使い古されたであろう江戸時代設定
・n番煎じだとしても許してください(土下座
・キャラ崩壊とか気にしない
・オチとか起承転結とかも気にしない
・つーか文章力が来い
・シズちゃんの役割はさすがに変えたぞ?(←私信
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時代は江戸。
人々は、つつましくも平和な日常を送っていた。
「はい、これで大丈夫だよ、杏里ちゃん」
「ありがとうございます、新羅先生」
「いえいえ」
この街で唯一医者をしている新羅の家には、3人の子供たちが訪ねてきていた。
3人で遊んでいる時に、転んだ杏里がひざを擦りむいたというので新羅が手当てをしたのだ。
「新羅先生はホントすごいっすね〜」
「どんなケガも病気も治してくれますもんね」
「正臣くんも帝人くんも褒めすぎだよ」
正臣と帝人にべた褒めされた新羅は、口では否定しながらも満更でもない様子だった。
「でも私も…新羅先生はすごいと思います」
「杏里ちゃんまで〜。ありがとう。いやぁ、無免許医が表立ってもてはやされるなんて、この時代は素晴らしいね」
「「「え?」」」
新羅の言葉に3人とも同じ反応をした。
「いや、何でもないよ。みんな気にしないで」
「はぁ…。あ、そうだ先生。あの噂、聞きました?」
「噂?」
正臣の言葉に新羅は怪訝な顔をした。
「最近、町を荒らしている奴がいるんです」
噂について帝人も話し始めた。どうやら子どもたちは皆、噂を知っているようだ。
「俺らも1度だけ直接見たんすけど、すごかったっすよ」
「きれいな真っ黒の馬が、ものすごい速さで走っていったんです」
「僕たちは見ただけですけどね。岡っ引きの門田さんも相当困ってるみたいです」
「ふーん」
子どもたちの話を聞いて新羅には思い当たる節があったが、ここではあえて言わないことにした。
「先生も気をつけてくださいね」
子どもたちはそう言いながら走り去っていった。
「真っ黒な馬、ねぇ」
新羅は子どもたちが出て行った戸の方を見つめながらつぶやいた。
新羅が噂を耳にしてから数分後。
少し離れた場所では、小さな騒ぎが起こっていた。
「くそっ!」
「あれ、門田さんもここに?」
「千影…なんで火もねぇのにこんなところにいるんだ?」
とある道端で、息を切らしながら走ってきた2人が出くわした。
一人は火消しの千影。
もう一人はドタチンという通り名をもつ岡っ引きの門田。
「もしかして門田さん、“アレ”を追ってたんですか?」
千影の言った指示語の対象が何なのか、門田はすぐに理解した。
「最近やたらと走り回ってるんだよな、あの黒い馬。昔から噂にはあったんだけどよ。あぁも町を荒らされると俺も黙ってはいられないしな」
「たしかに。今まではあいつを見た奴らも『幻だったのかも』なんて言ってたけど、ここまではっきり、しかも大勢が見ちゃあねぇ」
「ところで千影。なんでお前があの馬を追ってんだ?」
門田には火消しである千影が噂の黒い馬を追う理由がわからなかった。
門田の問いに千影は、一度大きくため息をついてから答えた。
「俺もあいつには困らされてるんすよ」
「だからなんでだよ。お前は火消しだろ?」
「それが・・・知ってますか?あの馬と馬乗りから黒い煙が出てるんです」
「黒い煙?」
「嘘みたいな話なんですけどね。でもその煙を火事と取り違えて、何度も走らされてるんですよ、俺たちも」
千影の言うことは、にわかには信じ難いことだった。
門田の表情からもそれは見て取れた。
「まぁ話だけ聞いても信じられませんよね。近くで見てみるとわかると思いますよ、門田さんも」
不審がる門田に、千影はあきらめたように付け足した。
しかしその時だった。
―――!!
門田と千影は同時に顔をしかめた。
「門田さん、今、聞こえましたか」
「あぁ。完全にあの馬の嘶きだったな」
「近づいて来てますね」
「みたいだな。まだどのあたりかよくわからないが…」
2人は、嘶きのした方を向いた。
まだかなり距離があるようで、姿は見えなかった。
「おう、二人ともどうしたんだ?」
緊迫した2人の雰囲気を打ち破るかのように、1人の男が声をかけた。
「し、静雄?」
「久しぶりだな、門田、千影」
声をかけたのは、長身に金髪の、目立つ風貌をした旅人だった。
「あんた、戻ってたんですか?」
「そうだぞ、静雄。戻ってるんなら声くらいかけてくれれば…」
「あぁいや…今ちょうど戻ってきたところなんだ」
金髪の旅人、静雄は、数か月前から旅に出ており、久々にこの町に戻ってきたところだった。
「そうだ静雄、今こっちに向かってる悪党を止めてくれないか?」
「悪党?」
門田はプライドなどに構うことなく、静雄に協力を要請した。
静雄はこの町で最強と言われる男であり、力勝負で彼にかなう者などいなかった。
それゆえに門田は、この町の平穏を取り戻すために静雄の力を借りることにしたのだ。
「門田さん、静雄さん、きます!」
千影の声で、他の2人も同じ方向を向いた。
その瞬間、漆黒の馬と同色の騎手が道の角から現れた。
凄まじい速さで駆ける馬は、千影の言っていたようにたしかに黒い煙をなびかせていた。
門田と千影は相変わらず眉間にしわを寄せていた。
「あ?」
しかし静雄だけは、2人とは対照的な表情をしていた。
そしてその顔のまま、向かってくる馬に対し静雄は、何もせずにただ立ちふさがったのだ。
「おい、静雄あぶなっ」
思わず門田が声を上げた。
―――キーッ―――
馬は甲高い声を上げ、静雄の手前で急停止した。
黒い馬には、頭部を同じく黒一色のベールで覆った人物が乗っていた。
「よぉ」
町を騒がす馬の騎手に向かって笑顔で手を上げた静雄に、門田をはじめとした町の人々は唖然とした。
「門田、千影。こいつは悪党なんかじゃねぇぞ?」
「静雄さん、あんたそいつと知り合いですか?」
「あぁなんつーか。茶飲み友達だよ」
町を騒がす正体不明の馬乗りと“茶飲み友達だ”という最強の旅人。
なんという事の顛末だろうか。
周囲がぽかんと口を開けているのも気に留めず、静雄は必死のジェスチャーで何かを伝えようとしている馬乗りを見ていた。
「つまりあれか?『この町を乱そうとしている、よからぬ情報屋を探して走り回っていた』ってことか?」
静雄が聞くと、馬乗りは大きくうなずいた。
「つーわけだ、門田」
「“つーわけだ”って言われてもなぁ。町のためなら何でそう言ってくれねぇんだよ」
「こいつ、声が出せねえんだ。だから釈明のしようがなかったんだよ」
その後静雄は、町の人々に馬乗りのことを話して聞かせた。
馬乗りの名前はセルティということ。
セルティは町医者の新羅のもとに住んでおり、今までは町を混乱させまいと姿を現していなかったこと。
「まぁ馬乗りの一件はこれで落着だな、千影」
「そうっすねぇ、門田さん」
「お前ら、新羅からは何も聞いてなかったのか?」
安堵する2人に静雄が訪ねた。
「さっきも言ったが、あいつは新羅の家にいるんだ。事情を知らないはずが…」
「まぁ新羅はこの町のことには無関心だからな。最近顔を見てもないさ」
「そうか」
静雄は「自分のいない間にずいぶんと騒ぎになっていたんだな」と少し寂しくなった。
静雄にとってこの町はそれほどに大切な町だったのだ。
そんなことを考えていた静雄は、もうひとつ聞いておくべきことを思い当たった。
何かに気づいた静雄は、先ほどまでとは全く違う、嫌悪感やいら立ちでいっぱいの雰囲気をまとっていた。
「なぁ、セルティ」
名前を呼ばれたセルティは無言で首を傾けた。
「さっきお前が言っていた“よからぬ情報屋”ってのは・・・」
「『その後静雄はセルティとともに必死に町を守りましたが、悪い情報屋さんは捕まることなく人を愛し続けました』とさ。めでたし、めでたし♪」
「あなた、さっきから何をしてるの?」
時代は平成。
ここはとある高層マンション。
「さっきから大声で本なんて読んで。気持ち悪いのだけど」
「いやぁ波江。人は常に進化すべきだからね」
我慢しきれずに話しかけてきた波江に、臨也は満面の笑みで答えた。
「いつもは現状を碁盤の上のチェスや将棋の駒で表してみるんだけどさ。マンネリ化はよくないと思って、物語にしてみたんだ」
臨也は“おもしろかっただろ?”と言わんぱかりの表情をしていた。
「で、ラスボスはあなた自身で、しかも負けないのね。それはそれは素晴らしい」
無機質な口調でそれだけ言って、波江は仕事に戻った。
「まぁ物語の結末は俺にはわからないさ。そうでなきゃ人間のおもしろみがないからね」
誰に言うでもなく臨也はつぶやいた。
「それにしてもジョブが“旅人”じゃ、シズちゃんの息の根がなかなか止まらないよね〜」
・・・・・・・・・・あとがき・・・・・・・・・・
また懲りずにやらかしましたww
ちなみに江戸での設定は友達とのメールで生まれたものです。
ストーリーは、「どうやったら臨也がかわいそうな中二病になるか」を自分なりに考えた結果です。
臨也を説明するなら「中二病という不治の病にかかった鍋好きの情報屋」でいいと思うんだ!←
でも今回この話での目標は“ろっちーを出す”だったから、とりあえず目標は達成です。(マジでか
あ、シズちゃんがどうやってセルティの意思をくみ取ったかとかは気にしたらだめなんだぜ☆
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